格安SIM(格安スマホ・MVNO)を契約する上で「音声通話SIM」にするか「データSIM」にするかで悩む人は多いはずです。
音声通話SIMなら通話はできますが料金的には結構高くなります。
でもデータSIMは通話ができません、やっぱり通話ができないと不安かも…。
そんなわけでデータSIMにするか決めきれない人に一つオススメなのが「050 IP電話」です。
目次
音声SIMとデータSIMの料金や特徴の違い
格安SIMでは音声SIMとデータSIMの大きく二種類のSIMカードを提供しています。
二つのSIMカードでは以下のような違いがあります。
音声SIMでは携帯回線を使って通話はできますが、だいたい月額600円程度が高くなります。
データSIMなら料金は安いですが、携帯回線を使って通話ができません。
このようにそれぞれのSIMカードはそれぞれメリット・デメリットを持っています。
この携帯回線の通話は「LINE通話」のようなインターネット回線を使った通話ではなく、090や080などの電話番号と回線網を使った通話を指します。
データSIMでもSMS付きを選べば電話番号は付与されますが、その番号を使っての通話はできません。
通話ができないのは困るな…ということで音声SIMを選ぶ方も多いでしょう。
しかし実は音声SIMでも電話番号を持って通話をする方法はあります。
それは「050 IP電話」です。
050 IP電話とは?携帯通話との違い
そもそもIP電話とは?
IP電話とはIP(インターネット・プロトコル)という通信方式を使った電話サービスです。要はインターネットを使って通話をするということですね。
インターネットの高速化とともに音声をデジタル変換して伝えることが可能となりました。
IP電話にも色々な定義や区分があるのですが、今回はスマートフォン・携帯電話で利用する050番号のIP電話という前提でお話します。
IP電話は主にNTTコミュニケーションズなどのISP(インターネットサービスプロバイダー)と契約することで利用できるようになります。
電話番号の違い
携帯電話では「090・080・070」以外にIP電話を使うことでこの「050」の番号帯を保有して通話ができるのです。
たまに企業のお問い合わせ番号で見ることもあると思いますがそれもIP電話です。
050 IP電話のメリット
月額基本料金が無料
すべての050サービスが無料というわけではありませんが、一番安いものであれば月額基本料は無料で利用できます。
例えば楽天の提供するSMARTalkは月額基本料は無料ですし、NTTコミュニケーションズの提供する050 plusは月額300円(税別)です。
通話した分だけ通話料はかかりますが、通話しなければ月額料金がかかりません(SMARTalkの場合)
音声SIMの場合は通話をしなくても毎月600円以上のお金が自動的に引かれます。
この料金を削減できるのは格安SIMの月額料金からすると大きいですね。
通話料金が安い
「ありました」と過去形なのは現在は大手キャリアでもカケホーダイなど通話料定額プランが出てきたり、格安SIMでもアプリを使うことで電話料金が半額になったりで優位性がそこまでないというのが正直なところです。
しかし安い通話料金であることは確かです。
例えば楽天の提供する「SMARTalk」は初期費用・月額基本料は無料で、国内の対携帯電話・固定電話通話料は30秒8円です。
格安SIMのBIGLOBEモバイルのアプリを使って半額でも国内通話料は30秒9円なのでIP電話の方が少し安いですね。
余談ですが実はNTT東西の提供する「ひかり電話」も光回線を利用したIP電話の一つです。この辺の違いも調べてみると面白い世界ですよ。
050 IP電話のデメリット
通話品質
いいことばかりに思える050 IP電話ですがもちろんデメリットもあります。
まず通話品質がベストエフォートであり、回線速度等によって大きく左右されることです。
そのため場所や周辺環境によっては通話が安定しないといった状況が起こることがあります。
かけられない番号の存在
050 IP電話の最大のデメリットが「かけられない番号」の存在です。
050の電話番号からはかけられない番号が多数あります。
主なかけられない番号は…
- 緊急通報(110番、118番、119番)
- 3桁番号サービス(104等)
- 0570(ナビダイヤル)
- 0120(フリーダイヤル)
といったところですね。
※事業者によって異なる場合はありますが概ね一緒です
特に110番、119番の緊急通報ができないのは万が一の時に困ります。
私も今まで生きてきて緊急通報をした経験はありませんが、ケガ人として救急車を呼んでもらった経験はあります。
そう考えると一切利用しないことがないとも限らないんですよね…。
オススメはクレカOKの楽天「SMARTalk」
SMARTalkは楽天モバイルが提供する050 IP電話です。
特徴としては
- アプリを使って利用可能
- 月額基本料金が無料
- 国内通話は一律30秒8円(税別)
- SMARTalk同士は24時間通話無料
- クレカ後払いOK
といったところです。
実は個人的に5つ目の「クレカ後払いOK」は050 IP電話において重要だと思ってます。
なぜなら多くのサービスではプリペイド式、つまり前払いのチャージにより通話が可能となります。
確かに無駄話しないというメリットはあるのですが、一方で通話をしなくても事前にお金を支払わなきゃいけないというデメリットもあります。
使うか分からない通話サービスに先にお金を出すのはちょっとためらいますよね。
他にはMy 050(旧050Free)もプリペイド式ながら通話料金が安くてオススメだったんですが、相次ぐ値上げで微妙になってしまいました。
現在はSMARTalkが一番オススメです。
かけられない番号が通話SIM利用の分かれ目
恐らくLINEが普及した現代において、仕事でもない限り通話をバリバリするという人はほとんどいないはずです。
基本的な電話機能であれば050 IP電話によって補完可能です。
しかし「かけられない番号」の特に緊急通報が懸念点として存在します。
外で大怪我を負ってしまったら?
現行犯での犯罪を見てしまったら?
家の中で倒れてしまったら?
万が一の時に手元にある携帯電話で緊急通報ができないのはやはり怖いです。
この点についてよく考えて通話SIMとデータSIMのどちらにするかを決めたほうが良いでしょう。