最近ツイッターを見ていると「仮想通貨投資」「高利回り投資」「配当」などを謳った配当型ウォレットが流行っています。
平たく言えば「メッチャ儲かりますよ!」ということなんですが、もちろんそんなうまい話はありません。
この危険なババ抜きの仕組みを説明します。
目次
配当型ウォレットとは?
これは仮想通貨ビットコイン等をウォレットと呼ばれる仮想通貨の財布のようなものに預けることで、月利10%以上が貰えるなどと謳っているものです。
「お金を預けるだけで簡単に儲かる」という甘い誘い文句で次々に勧誘していきます。
配当型ウォレットは数多く存在しますが、例えば今話題のプラストークンであれば「AIがアービトラージ(取引所間の価格差を利用した売買)で資産運用してくれて高配当が可能」としています。
もちろん本当にそんな資産運用が可能かと言えば限りなく不可能に近いでしょう。
投資の利回りは条件等によって異なってきますが一般的に国債の年利が0.05%以上、株式投資が年利2%前後と言われているので、月利10%以上という数字が異常なことは分かります。
次に示す詐欺的勧誘手法を目にしたら「あ、これはヤバイ話なんだな」と勘付きましょう。
高配当ウォレットの例
よく見かける高配当を謳った配当型ウォレットの一部を紹介します。
プラストークン(PlusToken)
ICB Wallet
WoToken
これらはよく名前をツイッター等のSNSで見かけるのではないでしょうか。
ちなみに一番人気のプラストークンは2019年8月現在、突然出金ができなくなった状態です。
このように突然、運営がお金を持ってドロンして音沙汰なしになるのが配当型ウォレットの特徴です。
それが来るのは数ヶ月かもしれませんし、1年先か数年先かもしれません。
配当型ウォレットの詐欺的勧誘手法
簡単にお金・資産増やせると謳う
色々な勧誘を受けると思いますが、この手の配当型ウォレットの最大のPRポイントはこれに尽きます。
そして多くの人が知ってるアタリマエのことですが、簡単にお金を増やせる方法なんてありません。
AIとかアービトラージとか仮想通貨とか色々な言葉を使ってもっともらしく話しますが、要は「お金を預けるだけで増やせます」と言ってるだけです。
「簡単にお金を増やす方法なんてない」という大原則さえ理解していれば、こうした詐欺に引っかかることも無いのです。
ハリボテの安全性をPRする
配当型ウォレットは本当に安心できるの?という疑問に対して、詐欺師たちは巧妙に安全性をPRしてきます。
- 有名取引所と提携
- 政府公認
- いつでも出金可能
などといった謳い文句が並びますが、もちろんどれもが嘘です。
特に各国政府が公認しているというのはよく使われますが、もし本当に気になるならその国の金融庁に相当する行政機関に直接聞くべきです。
実用化・実需を謳う
さらに安全性・信頼性を謳う手段の一つとして「実用化されていて実需がある」ことをPRをしてきます。
実用化とはつまり、そのトークンが世界各国で商品の購入に使われているということです。
もちろんそれも真っ赤なウソです。
仮にそのうちの一つが本当であったとしてもそれは何ら信頼できるものである保証にはなりません。
仮想通貨(とりわけ国産銘柄)も飲食店等で使えるようになったことをPRしますが、それは価格にもプロジェクトの信頼性にもつながりませんよね。
リファラル(紹介・推薦)での拡散
こういった配当型ウォレットではリファラル制度を採用しているところが多いです。
リファラルとは紹介や推薦を意味します。
つまりあなたが配当型ウォレットへ入金を開始する際、そこまで誘導した人が入金額の一定割合を貰えるというものです。
この制度自体は転職などのリクルーティング活動でも採用されており、目新しいものではありません。
しかし問題点は自分の利益のために詐欺であることを認識しながらも、ここまで挙げた手法を使ってあなたを積極的に勧誘してくる人もいるということです。
価格が上昇していてまだまだ上がる!などと煽りながら自分のリファラルを通そうとします。
そういった勧誘を受けた際には、飛びつくのではなく一度立ち止まって考えてください。
たちの悪いことに儲かる可能性もなくはない
しかしこの配当型ウォレットはたちの悪いことに儲かる可能性もなくはないのです。
それは「HYPE案件」「ポンジスキーム」と呼ばれるものであるためです。
ポンジスキームとは「高配当・高利率などを謳って出資を募る行為」です。
例えば初月、5万円を預けさせて本当に1万円を配当として返します。すると配当を受け取った人は「本当に儲かるんだ!ここは信頼できる!」ということでさらに出資金額を増やします。
もちろんその配当の出どころはあなたの預けたお金です。
さらに噂を聞いて後から続々と参加者が増えて預けられたお金も増えていきます。
しかし、そうして預入金額が増えたところで運営はお金を持ち逃げしてしまいます。
つまり詐欺師にお金を預けていることに変わりなく、またいつお金を持ち逃げされるかも分からないのです。
「配当があった=信頼できる」とはならないことは留意しましょう。
過去に株式会社エル・アンド・ジーの電子マネー「円天詐欺事件」がありましたが、仕組み的には似てますね。
円天では「元本を保証した上で100万円を預ければ3カ月ごとに9万円を支払う」としていましたが、あっという間に破綻してしまいました。
100 or ゼロの危険な投機より堅実な投資・活動を
繰り返しになりますが確実に簡単に儲かる投資なんてこの世に存在しません。
100 or ゼロの危険な投機を繰り返していては、いつしかゼロを引いて終わりが来ます。
もし投資をしたいなら株式投資など日本の法律に則ったものを選ぶべきでしょう。
あるいは投資のようにお金が細かく上下するものではなく、ブログなどのようにゆっくりでもコツコツ増やせるもののほうが良いです。
繰り返しとなりますが、楽して儲かる話なんてこの世に存在しません。
当ブログではこの手の詐欺を多く紹介しているので良かったらそちらもご覧ください。